月別アーカイブ: 2014年3月

藤井フミヤLive wowow再放送(3/25 21:00~)

fukuoka_wowow

昨年の12月22日、福岡サンパレスでのライブは30周年記念ツアーvol.1の最終日にあたり、その模様はwowowで生中継された。それが明日の3月25日に再放送される。

生中継時はアンコールを2曲やったところでフミヤさんがステージを降り放送終了となったが、福岡のお客さんの熱い声援に背中を押され再登場しライブは続いていた。今回の再放送はそのダブルアンコールの部分も含めた完全版だ。

放送中は生中継だったせいもあってか、ステージ全体に丁寧にいこうというような空気が漂い、どちらかというとおとなしめな演奏であった。曲のテンポも普段よりややゆったりしていたように感じる。

それがダブルアンコールではいつもの調子というか、手枷足枷が外れたかのように伸び伸びとした演奏になっている。それに呼応してお客さんのテンションも高まり、会場は一種異様な空気に包まれていた。

生中継を観られなかった人はもちろんのこと、観ていた人も楽しめるはずだ。最近ミスの少ないフミヤさんが、珍しく一箇所歌詞抜けしているのを聴けるのも貴重か。

土屋公平 NewAlbum「少年とギター」3/20発売

kohey album

いつまでも若手エンジニアのつもりでいた私も、不惑の境はとうに過ぎ、歳の数だけ見ればベテランと呼ばれるにふさわしいお年頃になってしまった。思いのままにならぬもの多々ある世の中だが、何にもまして時の流れだけは如何ともし難いと痛感する。

記録的な降雪に見舞われた厳しい冬もようやく遠のき、若鶯の拙い啼き声が春の訪れを告げるこの頃。土屋公平さん「私的モード録音盤」シリーズ最新作「少年とギター」が届いた(発売は3月20日)。

この私的〜シリーズには、これまでもマスタリングエンジニア(と、声を大にして言うほどの技量はないので恥ずかしいのだが)として携わってきた。今回はマスタリングに加え、ミキシングも担当させてもらっている。

録音はすべて公平さん。できあがった曲からマルチトラックデータを送ってもらい、それをミックスして送り返すということを繰り返し、マスタリング完了まではかれこれ2週間ほどだったか。その間、公平さんとは一度もお会いせず、電話とメールだけのやり取りで乗り切った。

私事で申し訳ないが今作のミックスはよくできた。日頃何かと自信が持てない私であるが、今回だけは臆面もなく言わせてもらおう、会心作だ。

過去にも自画自賛するミックス(例えば公平さんと初めての仕事、1997年末の麗蘭SOUL X’mas/Hello Good-Bye」など)はあったが、それは偶然うまくいっただけだった。しかし今回は違う。確固たる意志のもと、自分をコントロールし完成へと導くことができた。すべて必然に。

「人の成長はなだらかな坂を上るのではなく、階段を上るのに等しい」たまに耳にするそんな喩え話。このアルバム制作中、私は久しく上れなかった階段のひとつ上に立ち、それをあらためて実感することができた。機会を与えてくださった公平さんにはとても感謝している。

聴く方にとって全く関わりのない独りよがりな話を書き連ねてしまった。ともかくこの自信作をひとりでも多くの方に聴いていただけたらと、春一番の吹き荒れる中、部屋にこもる私は願うばかりである。