まっすんの2ndアルバム「Circle of Life」が発売されている。

昨年の1stアルバム「Good Musicは鳴り響く」制作時、ミックス＆マスタリングの依頼がいつ来てもいいようココロとカラダの準備を整えておいたのだが、声の掛かることはなかった。しかしこの度「試しにマスタリングをやってみないか」というお誘いを受け、念願叶い参加することができた。

増本くんから送られてきたミックス音源はどれもよい出来だったので、その雰囲気を壊さぬよう、トータルで聴きやすいものになるよう心掛けマスタリングをした。なかなか満足度の高い仕上がりになったと自負している。いろいろと学ぶところもあり、有意義で楽しい時間を過ごすことができた。まっすんありがとう。

上の写真は我が家に同居している黒猫である。コイツは私が仕事をしていると、足元にまとわりつき、作業の邪魔をしてくることが度々ある。今回もすぐに近寄ってきた。猫にウロウロされると、イスのキャスターで尻尾を踏んだりしてないかとか、暴れて機器が壊されやしないかとか、いろいろ気を遣うので迷惑千万である。

無視を決めこみ作業を続けていると、猫はじゃれつくのに飽きたのか窓際に移動していた。背筋を（やや猫背だが）伸ばして座り、思案顔で外を眺めている。ぼんやりその横顔を見るともなしに見ていると、突然まっすんの唄声（表題曲「Circle of Life」の一節）が耳に飛び込んできた。

〜 後どれくらい同じ時間を 僕らは共に生きる　それは永遠のようで 一瞬のようで 儚く過ぎる 〜

音質調整をしていたマウスの動きを止め、つい唄に聴き入ってしまった（作業していたから曲はずっと聴いていたのだが）。やがて骨太な唄声から、天使の囁く荘厳なコーラスパートへと曲は流れる。

〜 シズカニナガレユク　アワイクモノヨウニ　イツカハキエテユク　ソシテマタメグリアウ 〜

そしてせつないピアノソロを挟み、リズムが抜けた静かなオケをバックに、まっすんの力強いメッセージが響く。

〜 この命もいつかは尽きる 何も言わずに行くよ　大切な人よ これでいいんだ また逢えるさ 〜

人は一生の間に、どれほどの出逢いと別れを繰り返すのだろう。親兄弟姉妹夫妻子親類縁者恋人友人知人敵、そして同居する動物たち。犬猫の一生は人に比べ短く、近い将来、確実にこの黒猫との別れも訪れる。それを怖れる私を気遣い「また逢えるさ」と黒猫が語りかけてきたように感じて胸がつまり、不覚にも落涙してしまった（しばし作業は中断した）。

命とは死とはどういうものなのか、考えたところで容易にこたえが見つかるものでもなく、まして輪廻転生〜Circle of Life〜など、私の手に負える話ではない。ただ命がなにがしかの大きな流れの中にあり、何か得体の知れないチカラが働いていると感じることは、日頃生活の中でたまにある。カラダの消滅とココロの終焉とが単純なイコールで結びつくとも思えない。そうは言っても目前の肉体死を受け入れることが、辛いことであるのに変わりはないのだけれど。

「Circle of Life」から出発して最後の「花」まで、珠玉の11作品が詰め込まれた素敵なアルバム。世のナオキストたちはもう手に入れていることだろう。買うつもりが買いそびれていてまだの方、プレゼントや保存用のため2枚目3枚目を買おうとしている方へ。Amazonでポチッと買うのもいいが、まっすんのライブへ出向き（近々どこかであるらしい）、会場で直接買うと彼の笑顔が約2倍になるそうだ。おせっかいながら書き加えておく。