6月4日、栃木県日光市の東照宮で「御鎮座400年記念コンサート」が開かれた。御鎮座400年とは、家康公の御神霊が日光に祀られてから400年経った、ということらしい。
日光を訪れたのは中学1年秋の修学旅行以来。チェッカーズがテレビ東京「志賀ちゃんのおはスタ」に出る1年ほど前であるから、まあ随分と久しぶりのことになる。
セットリストは前回嚴島神社とすべて同じ。メンバーもbassが竹下さんから、お馴染みの有賀さんになった以外は同じである。しかし会場に響くサウンドは全くの別物であった。
場所が異なるだけでこんなにも音が変わるものなのか、、、。もちろんbass奏者が違うということは、かなり大きな違いではあるのだがそれを差し引いても、である。普段のコンサートではホールの違いで(たとえばZepp東京と日本武道館であっても)ここまでの変化を感じない。同じ野外とはいえ、これが海と山との違いなのだろう。
嚴島神社は海上に建ち、正面はひらけ遮るものがない。ステージから出た音は真っすぐに海中へ溶けてゆく。一方東照宮は、標高が東京スカイツリーをも上回る山中に建つ。辺りを囲む樹齢数百年の樹々と、石垣やら塀やらの建造物で複雑に音が跳ね返り、木霊となって方々へ散ってゆく。
余韻の少ない素朴な嚴島神社と、重く長い響きを持つ荘厳な東照宮。音の傾向だけでなく、建物の雰囲気も対照的であると思う。全体的に力の抜けた優雅な佇まいの嚴島神社と、豪華絢爛まるで現代のテーマパーク然とした隙のない東照宮。どちらがいいというのではない。双方神秘的で趣がある。好みは人それぞれだ。
この2つのコンサートの世に出る形、DVDになるのかテレビ放送されるのか(または両方ともあるのか)、その詳細を私は知らない。なんでも東照宮の模様はCSのTBSチャンネル1で7月31日(日)21:30~放送されるという。嚴島の分もミックスダウンは終えているので、いずれ何かしらの形でみなさんの元に届くことは間違いないだろう。できれば2つとも観て聴いていただき、その違いを感じてもらえたら幸いである(大して変わらないじゃないか、といった苦情は受け付けない)。