先日12月27日は藤井尚之さん50回目の誕生日。そのお祝いライブがきらびやかなゲストを迎え、豊洲PITで行われた。以下、ゲスト出演者とセットリストを記しておく。
[Naoyuki Fujii Welcome 50’s Party]
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M1 嗚呼、我が人生
M2 キスの嵐
M3 クロームメタリック
〜鈴木雅之さん、ワンダラーズ、アブラーズ登場〜
M4 め組のひと
M5 ランナウェイ
〜鈴木雅之さん、アブラーズ退場。トラベラーズ登場〜
M6 Charlie Brown
M7 Yakety Yak
〜ワンダラーズ退場。河口恭吾さん登場〜
M8 テネシーワルツ
M9 I’ve Got You Under My Sin〜君に首ったけ
〜河口恭吾さん退場〜
M10 切れた首飾り
〜YOUさん登場〜
M11 Blue Velvet
〜全員退場。舞台転換のため小休止〜
〜Non Chords登場〜
M12 BARINBASS
M13 Space cake
M14 Naturally
〜Non Chords退場。夏木マリさん登場〜
M15 スワサントンブルース
M16 Player
〜夏木マリさん退場。アブラーズ再登場〜
M17 Final Lap
〜藤井フミヤさん登場〜
M18 ONE NIGHT GIGOLO
M19 I Love You, SAYONARA
M20 NANA
〜アンコール〜
EC1 N.
EC2 BLUE SKY
EC3 蜂蜜の蜘蛛の巣
EC4 君が好きだよ
EC5 聖者の行進
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どのコーナーも密度が濃く楽しいステージであった。そしてクライマックスはやはり本編最後、フミヤさんが登場したところであろう。アブラーズ+藤井フミヤ、元チェッカーズの4人が同じ舞台に立ち並ぶ姿は、そうそうお目にかかれるものではない。勝手ながら私はこの4人を「チェッカーズ SUPER 4(長いので以下CS4と略す)」と呼ぶことにした(某アイドルグループの真似をしたわけではない)。
CS4が今回演った3曲は、フミヤさんのライブでもよく歌われる曲だ。その時どきで調子の良し悪しはあれど、歌い回しやニュアンスは安定していて、ステージによっての違いは殆どない。しかし、この日は違っていた(と私は感じた)。
終演後、大勢でごった返す楽屋でフミヤさんに近づき、そのことを伝えてみると驚いた様子で「あ、そう?何が違った?」と聞き返された。ぼんやりとした感覚だけで何も準備していなかった私は、返答に窮しながらも思いつくまま言葉を並べたが、上手くは伝えられなかったように思う。どの言葉も口元から出た瞬間に何か違うな、と感じながら話していた。
いまもその違いを説明しようとしているが、やはり言葉にするのは難しい。簡単に言えば歌っていたのが「藤井フミヤ」ではなく「藤井郁弥」だったということか。フミヤさんの表情、目の輝きもちょっと違っていた気もする。もしまたCS4がステージに立つ日が来たら、その時、いい言葉が見つかるのかもしれない。
今回のライブ、これだけの強力なゲストに囲まれ「尚ちゃん大丈夫か?」なんて余計な心配していたが杞憂だった(1曲目で歌詞が飛んだり、途中曲順を間違えたりしたのはご愛嬌)。何より歌がとてもいい。声の質感もよく説得力があり聴き手に歌詞が届くのだ。サックス奏者としてだけでなく、歌手としても円熟味を増してきたと思われる。
五十にして天命を知る。2015年の尚ちゃんは我々にどんな姿を見せてくれるのだろうか。個人的には久しぶりに歌手「藤井尚之」が詰まったアルバムの発表を希望している。